【初心者向け】動物スケッチのコツ3選!画家が実演で徹底解説

蓮実豪
こんにちは。画家の蓮実豪です。

今回は動物の野外スケッチについて話していきたいと思います。

私はこれまで、画家として動物スケッチを数多く描いてきました。

絵の具やデジタルと違い、

鉛筆1本から手軽に始められるのが動物スケッチの魅力です。

しかし、いざ描き始めると

見習いちゃん
なぜか形が歪んでしまう
見習いちゃん
写真のようになってしまい、生き生きとした躍動感が出ない

と悩む方も少なくありません。

この記事では、

初心者でも動物を立体的かつリアルに描けるようになるため

3つの基本のコツを分かりやすく解説します。

骨格の捉え方から鉛筆の動かし方まで、

実践的なテクニックを網羅しています。

この記事を読めば、動物の特徴を一瞬で掴み、

動物を生き生きと表現する楽しさが実感できるようになります。

ぜひ最後まで読んで、スケッチの第一歩を踏み出してみてください。

動物スケッチのコツ「初心者が陥りやすい失敗」

まずは、初心者が陥りやすい失敗について知っておきましょう。

これを知っておくことで、

初心者がどのようなところに注意して

動物スケッチを練習していけば良いのか明確になります。

形・比率が崩れてしまう

動物を目の前にしたとき、

多くの初心者はいきなり外側の「輪郭線」から描き始めようとしてしまいます。

しかし、動く動物の輪郭だけを追うと、

全体のバランスが崩れてパーツの位置がバラバラになってしまいやすいのです。

失敗例⇩

私も同じで、初心者の頃、

「さぁ描こう」

と、意気揚々に頭から丁寧に描いて、

次に胸、腰、四肢と描き、

「自分ではよく描けた!」と思って離して見てみると

比率がぐちゃぐちゃ

頭でっかちで、まるで化け物のような動物の絵を量産

なんて悲惨な状態でした。

当初は、おしゃれで格好いいスケッチを描こうと意気込んでいましたが、

完成した絵を見るたびに比率は崩れ、魅力的とは言えない絵ばかり。

「自分には向いていないのかもしれない」

そう思って何度も挫折しました。

自分のスケッチには魅力がない

せっかく形が取れても、

ただ輪郭の中を平坦に塗るだけでは、

動物らしい丸みや質感が表現できません

光と影を意識せずに描き進めると、

ただの塗り絵のような、

立体感のない仕上がりになってしまいます。

もちろん、あくまでスケッチなので、デッサンほど描き込む必要はありません

ですが、私が絵を描き始めた当初、上手い人を見るたびにこのように思っていました。

見習いちゃん
なぜこの人の絵は、シンプルなのに説得力があるのだろう?

おそらく、あなたもSNSなどで流れてくる画像を見て

同じようなことを思ったことがあるのではないでしょうか。

この悩みは、私自身のこれまでの活動の中で

最もぶつかった悩みの一つです。

そのため、いま、この悩みを抱えている人の気持ちは

痛いほどよくわかります

この記事では、

この「シンプルかつ説得力のあるスケッチ」という

誰しもが憧れるスケッチを描けるようになることを目指していきます

動物スケッチのコツ3選

実演に入る前に

動物スケッチに必要なコツを3つ紹介したいと思います。

この3つのコツができることで

スムーズに実演の内容が理解できるようになります。

私がこれまでの経験で厳選した

動物スケッチには欠かせない重要なコツであるため

ぜひ読んでみてください。

コツ①:「単純な図形」に置き換えてアタリを取る

早速ですが、

この一つ目のコツが、動物スケッチにおいて

最も重要だと言っても過言ではありません。

動物を細部まで観察する前に、

頭や胴体を「丸」、「楕円」、「四角」といったシンプルな形に置き換えてみましょう。

この大まかに捉えることを「アタリを取る」と言います。

いきなり描き始めることなく、

全体の比率や形状を大まかに捉えておくことで、

バランスの取れたスケッチを描くことができるようになるのです。

しかし、ここで一つ問題があります。

問題点
「丸っぽい図形」と「立方体のような図形」

どちらでアタリを取るべきかという問題

結論から言いますと

初級の人は「立方体のような図形」

中級以上の人は「丸っぽい図形」

で描くことをおすすめします。

何故かというと、

丸だけでは立体を意識しにくいですが、

立方体なら立体をイメージできなくても、

立体が既に紙の上に出来ているからです。

下の画像を見てください。

どちらが立体が見えやすいでしょうか?

見えやすいのは立方体の方だと思います

しかし、円の方も同じ立体を表しています。

円の立体をもう少しわかりやすくするとこんな感じです⇩

楕円だけで立体が見えるなら「丸っぽい図形」、

楕円ではわかりにくいなら「立方体のような図形」

を使うと良いでしょう。

「立方体のような図形」を使う初級者の人も

何度も描いていくうちに

楕円だけで立体をイメージできるようになるので安心してください。

誰しもが通る道なので

丁寧に練習していきましょう。

コツ②:骨格を意識して描く

「アタリを取ったので、さぁ描こう」

と行きたいところですが、

ここでもう一手間加えておきましょう。

それは「骨格と筋肉のアタリをとる」

というものです。

コツ1で取ったアタリは「全体的なポーズ」でしたが、

今回取るのは

そのポーズをするための「構造」です。

これを行うことで、

より自然なポーズを描くことができるようになります。

私がまだスケッチを始めて間もない頃、

私が読んだ本にはコツ1のみが書かれていました。

もちろん、コツ1は非常に重要なのですが、

もう一歩物足りないスケッチとなっていました。

ずっと、なぜ物足りなく感じるのか疑問だったのですが、

スケッチをしていく中で、

その原因は

「骨格や筋肉の微妙なズレ・違和感」

にあることがわかったのです。

そのため、このコツ2は

あなたのスケッチをより高い次元に持っていくために

重要なものとなってくるのです。

まずは

骨格を意識したアタリ」

を加えていきましょう。

描くものは

背骨、胸、腰、四肢の付け根、四肢

です。

このような感じです⇩

次に、目立った筋肉を入れていきます。

あまり細かい筋肉は描かず、

目立つ筋肉のみ描くことがポイントです。

目立つ筋肉のみに絞ることが

「シンプルかつ説得力のあるスケッチ」

につながるのです。

こんな感じです⇩

ここまで聞くと

「筋肉や骨格を覚えなければならないのか?」

と思うかもしれません。

しかし、詳しく筋肉や骨格について知っておく必要はありません

何故なら、動物は我々と同じように

頭、胸、腰、四肢

基本的な構成要素は同じだからです。

当然、2足歩行と4足歩行などのように、

全く同じではないため、細かな違いは多くあるでしょう。

ですが、私たちがいまやろうとしているのは

あくまでスケッチです。

スケッチで大切なのは

ディテールにこだわることではなく

大きな構造を捉えることにあります。

大きな構造を捉える中で、細かな知識は必要ではないのです。

それよりも、基本的な骨格構造を捉え、

目立つ筋肉を観察から描くことのほうが

より重要で、実践的なのです。

コツ③:主役をメインに粗密で描く

全体のアタリが取れたら、

その動物のどこに一番魅力を感じたか

自分の中の「主役」を決めましょう。

主役を明確にすることで絵にメリハリが生まれます。

生き生きした「目」なのか、

力強い「足」なのか。

その主役が「最も描きこむ場所」になります。

スケッチに限らず、

絵というものは

全体を均一に描きこんでも魅力的にはなりません

主役は描き込むのですが、

それ以外の箇所は、

あえて描き込まないことで

絵に抑揚が生まれ、生き生きとした魅力的な絵となるのです。

そのため、主役を決めたら、

そこのみを描き込み、

他は描き込まないようにしていきましょう。

実演!動物スケッチのコツを元に描く

それでは実演です。

これまで解説してきた動物スケッチのコツを活かして描いていきます。

頭の整理、これまでの内容の深い理解に繋がります。

素早く動物のアタリを取る

まずは大まかにポーズのアタリを取っていきます。

ここで問題となるのは

動物は動く

ということです。

私もはじめたての頃は動く動物を目で追って

じっとしてくれない動物に苦戦したことを覚えています。

しかし、あることに注目すると

意外と動いていても

動物のアタリを取ることは難しくはないのです。

注目すべきポイントは

頭、胸、腰の位置関係

です。

何故なら、

ポーズは「頭、胸、腰」の3箇所のみでほぼ決まるためです。

これは実際に見てみてほうが早いでしょう。

こちらに動物を用意しました。

一見、難しそうに見えるかもしれません。

しかし、頭、胸、腰の3箇所のみに注目し、

コツ1で解説したように頭、胸、腰を丸で描いてみましょう。

するとどうでしょう。

シンプルですが簡単にポーズを捉えられたのではないでしょうか。

どのようなポーズだったとしても重要になってくるが

頭、胸、腰の位置関係のみ

なのです。

四肢は後からそこに足すだけで良いのです。

何故なら、四肢は胴体に比べて自由に動くため、

どのように描いても絵が成立するからです。

初級者で立方体を描きたい方は、

まず、丸で頭、腰、胸を描き、位置関係を確定させた後、

その箇所に立方体を描くと良いです。

骨格、筋肉のアタリを入れる

次に、コツ2で解説した

骨格と筋肉のアタリを入れていきます。

骨格は、先ほどのポーズのアタリに合わせるように入れていきます。

コツ
動きが硬くならないように鉛筆を素早く動かして描くこと

また、足の付け根などのように

左右対称になっている箇所はその点を意識して

アタリを入れておくと良いです。

外形線入れ

では、アタリを元に外形選を加えていきます。

筆圧の強弱を使って線を入れていきます。

筆圧を強くする箇所は

線の角度が切り替わるところ

前に張り出しているところ

影が強いところ

です。

逆に、筆圧を弱めるところは

光が強く当たっているところ

です。

影入れ

影入れをしていきます。

まず大まかに影を入れ、

その後、メインの箇所のみ影を描き込んでいきます。

大まかな影入れは鉛筆を寝かしながら行い、

細かい描き込みは鉛筆を立てると良いです。

何度も言いますが、メイン以外は描き込まないように気をつけてください。

毛など質感を描き足す

最後に、毛などの質感を加えていきます。

ここまで付けてきた全体の強弱を崩さないように気をつけてください。

メインの箇所であっても、

光が強く当たっている箇所は描き込みすぎないようにしましょう。

光が弱くなってしまうためです。

動物スケッチに関するよくある質問(FAQ)

Q. 初心者はどんな道具(鉛筆や紙)から始めるべきですか?

蓮実豪
最初は特別な道具を揃える必要はありません

使い慣れた鉛筆とクロッキー帳があれば、今すぐ始めることができます。

私がよく使っているのは

ハイユニの鉛筆3本(2H、F、3B)

中目のスケッチブック

の2点です。

Q. 動物園で動く動物をスケッチする時のポイントは?

蓮実豪
方法論を確立して何度も描くことです。

私がスケッチ初心者だった頃、

「スケッチは観察してするものだ」

と思っていました。

しかし、観察しながらでは、動く対象に対応できず、

自分にスケッチは向いていないのではないかと思ったものです。

しかし、この記事で書いてきたような方法論を確立した上で

スケッチに挑むことで徐々に上達し、

上手くスケッチが楽しめるようになりました。

方法論はこの記事に記載していますので、

あとは練習あるのみです。

Q. 動物は写真から描いても上達しますか?

蓮実豪
はい、上達します。

ただ、ここでの上達は方法論を習得できるという意味です。

特に初心者は写真を見ながら形や骨格、

光の当たり方を観察する練習がおすすめです。

ただし、写真をそのまま写すのではなく、

「なぜこの形に見えるのか」を考えながら描くことで観察力が身につきます

 

しかし、動く動物に対応するためには

やはり実際に野外に行く必要があります

方法論に慣れてきたら動物園や水族館で実物をスケッチしていきましょう。

Q. 初心者におすすめの動物は?

蓮実豪
初心者には、形がシンプルで観察しやすい動物がおすすめです。
  • 鳥(ハトやスズメなど)
  • ウサギ

これらは写真資料も豊富で、基本的な体の構造を学びやすい動物です。

Q. 消しゴムはどれくらい使っていいですか?

蓮実豪
初心者のうちは気にせず使って問題ありません。

むしろ、間違いを修正しながら描くことで形を見る力が身につきます。

ただし、消しすぎると紙が傷み、描きにくくなることがあります。

おすすめは

「最初は薄い線で描き、形が決まってから少しずつ濃くする」描き方です。

そうすると自然と消しゴムを使う回数も減っていきます。

Q. クロッキーとデッサンの違いは?

クロッキーは、短時間で動きや全体の印象を素早く捉える練習です。

1〜5分程度で描くことが多く、観察力や構図を鍛えるのに向いています。

一方、デッサン時間をかけて形や立体感、質感を丁寧に描き込む練習です。

どちらか一方だけではなく、

クロッキーで全体を捉える力を養い、

デッサンで細部を観察する力を鍛えることで、効率よく上達できます。

また、短時間で動きの印象を捉える『ジェスチャードローイング』も、
動く動物のスケッチと相性が良い練習法です。

 

 

風景画スケッチの描き方もまとめていますので参考にしてください⇩

初心者必見!即実践できる風景画のスケッチの描き方 [画家が実演!]

まとめ:コツを掴んで楽しく動物をスケッチしよう!

動物スケッチを上達させるポイントは、次の3つです。

単純な図形でアタリを取り、全体の形を捉える。

骨格や筋肉を意識して、自然なポーズを描く。

主役を決めて粗密をつけ、メリハリのあるスケッチにする。

最初から上手く描こうとする必要はありません。

大切なのは、動物をよく観察し、何度も手を動かすことです。

今回紹介した3つのコツを意識しながら練習を続ければ、

少しずつ形や動きを捉える力が身につき、

生き生きとした動物スケッチが描けるようになります。

 

こんな記事も書いて欲しいということがあればコメントしてください。

ぜひ鉛筆を持って、身近な動物や動物園でスケッチを楽しんでみてください!

ありがとうございました!

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